こんにちは
今回のテーマは、以前紹介した阪急のグループ会社である阪神を紹介します。
ぶっとばす路面電車
阪神電車は大阪~神戸間という、都市間を結ぶ路面電車として開業しました。
さて、どうして阪神電車は高速化や大量輸送が可能な普通鉄道ではなく、路面電車としての開業だったのでしょうか?
これには阪神電車の奇策がありました。
そもそも鉄道の敷設には逓信省への申請が必要でした。
当時大阪~神戸間には既に現JRが通っており、競合となる鉄道の敷設は許可が下りない場合が多かったようです。
それに対して路面電車は内務省が管理しており許可が下りやすかったことから、阪神電車は路面電車として開業しました。
ただし、ごく一部の路面軌道の他はほぼすべての路線が専用軌道で、路面電車とは名ばかりだったようです。
なかなかのやり口だと思いますが、この方法は今後他の私鉄でも行われることになります。
また路面電車には約時速 13km という制限速度があり高速化は難しかったのですが、阪神電車は約時速 40km という速さで運行し、さらに運行間隔も 12 分程度と大量輸送を行っていたそうです。
仮線として延長
開業当時、阪神電車の大阪側のターミナル駅は「出入橋」で、現在の梅田駅よりも数百メートル西側にありました。
これは当時の国鉄大阪駅がその近くにあったためですが、開業して間もなく国鉄大阪駅が現在の位置に移転して距離ができてしまいました。
これに伴い阪神電車は現大阪駅の位置への延伸を計画しましたが、大阪市が市電を運行していたこともあり許可が下りませんでした。
しかし何度も申請を行い、単線の仮線名目で大阪駅側への延伸が叶ました。
後の出入橋 - 大阪間の複線化後、中間駅であった出入橋は廃駅となり、現在は西梅田公園となっています。
とら
阪神と言えば阪神タイガース。
皆さんご存知の通り、阪神タイガースの親会社は阪神電車です。
名称がこの「タイガース」に決まった理由は、阪神地区同様工業地帯であるアメリカのデトロイトに本拠地を置く「デトロイト・タイガース」を参考にした、阪神電車社員の公募からだそうです。
昭和初期、甲子園一帯には「甲子園娯楽場」と呼ばれる施設が誕生します。
ここにはテニスコートや運動場、温浴施設、映画館などがあり、広さも2万坪あったそうです。
当時から鉄道会社は沿線の開発に注力しており、この施設もその1つです。
今でも甲子園球場や阪神タイガースが活躍しているのは、阪神電車や野球ファンの方の愛があってこそなのでしょうね。
今回の阪神編はここまでです。
梅田エリアと書いておきながら少し西宮が混ざってしまいました笑。
また次回もよろしくお願いします。