実際に見て感じたこと

こんにちは

突然ですが、防空壕ってどんな感じだと思いますか?

先日加西にて開かれた、取り壊し予定の防空壕の見学会に行ってきました。
今回はその体験談をお伝えします。私が感じたことを多めに書いているので文字多めですが、良ければご覧ください。

そもそも防空壕とは、その中に入って空襲などから身を守る為に地面に掘られたシェルターです。

今回見学した防空壕は海軍の鶉野(うずらの)飛行場周辺にあり、関係者が使用していた可能性があるそうです。
軍飛行場近くの防空壕ということで、地方の駅前地下道のような薄暗くひんやりした、 コンクリート製の灰色の通路のようなものをイメージして向かいました。

到着するとまず、むき出しになった防空壕外側の全体像が見えてきます。

第一印象は「でこぼこしてる」でした。

周辺の土壌が赤土なのに対して防空壕はクリーム色のところどころ黒っぽい箇所が混じった感じで、形状は上側3分の1程がかまぼこ状のアーチで比較的きれいにならされたような平らな表面をしており、下側は3分の2程は断崖の岩肌のようにでこぼこした表面です。

しばらく外から観察していると、この防空壕の構築手順について説明があるとのことで聞いてみました。

簡潔にまとめると防空壕の壁面の作成は、周辺の土を防空壕の高さ程度(3メートルほど)シャベルや鍬で掘り、防空壕の内壁側に木の型枠を立てて掘った土と木の型枠との隙間にコンクリートを流し込んで作られたとのことです。

天井部の平らな表面をしたアーチ部分は、内側外側とも木の型枠を使って作成したとのこと。

確かによく見ると外側壁面の下の方には、シャベルや鍬の跡がくっきり残っており、でこぼこの表面に納得がいきました。

他にも、石や土が混ざっていると遠めでも判別できたり、先に入れたコンクリートと後から流し込んだコンクリートの性質が違ったのか斜めにコンクリートが流れた跡があったりと、手作り感があるなぁという印象です。

続いて中に入ります。

日差しが無いので外ほどではないけどそれでも暑いなといった感じの温度です。壁面の材質は擦れたら擦りむきそうなざらざらしたコンクリートで、よく見ると木目模様が見えます。
これは先程の構築手順で聞いた通り、コンクリートを流し込む枠として使用した木枠の跡だとわかります。

床の周囲には雨水などが流れるように深めの溝が設けられており、入口に向かってわずかに傾斜していました。
最後に左官で床を作ったようで、壁面などに比べてきれいに仕上げられている印象でした。

この防空壕を作るにあたって、近隣の住民が勤労奉仕として作業にあたったようで、軍周辺の施設とはいえ一般の方が作ったことを防空壕を実際に観察することでひしひしと感じました。

続いてsoraかさいにやってきました。

ここには紫電改などの戦闘機レプリカのほか、当時の作業員や搭乗員が使用していたものが展示してあります。

紫電改のレプリカ

戦闘機は確かに人命を奪う為の兵器ではありますが、見方を変えると家族や友人を守るためとも言えます。
また工場製品としての機能美は、80年も前のものと意識させないほどに感じられます。

戦争を経験したことのない私にとって、平和な世の中が良いだとか、戦争を無くせば良いだとか思うことは簡単ですが、各々の中にある抽象的な平和のイメージを現実世界に落とし込むことは、そう簡単なことでは無いはずです。
あいにく平和な世の中の作り方の答えは持ち合わせていませんが、実際にものを見て話を聞いて感じたことは、確実に私の経験になりました。